九州3県を舞台とした自転車ロードレース「マイナビツール・ド・九州」は10月9日、大分県日田市で第3ステージが行われ、逃げ集団に乗ったデクラン・トレザイス(オーストラリア、ARAスキップキャピタル)が区間優勝した。前日のレースで総合首位に立っていたアンドレイ・ゼイツ(カザフスタン、アスタナカザクスタン)は累計時間でのリードを保ち、総合優勝に輝いた。
出発地・オートポリスからの下り区間で総合3位の留目夕陽(EF-NIPPOディベロップメント)が落車でリタイアしたり、テクニカルな区間が連続したりして、逆転を狙う有力選手たちが序盤から集団前方でレースを動かした。
その結果、総合で遅れていたトレザイスに加え、総合7位のベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、ヴィクトワール広島)、総合8位のライアン・カバナ(オーストラリア、キナン)のオーストラリア人3人による強力な逃げ集団が形成され、一時はゼイツを逆転するだけの差を広げた。
日田市街地の周回コースに入るとゼイツを総合優勝に導きたいアスタナカザクスタンチームやこの日の勝利を手にしたいチームがメーン集団の先頭に立ち、逃げ集団とのギャップを縮小する。しかし逃げ集団も最後まで力を緩めず、最終的に3人が逃げ切ってトレザイスが先着した。
メーン集団は8秒遅れでゴール。前日のレースでダイボールらに約1分の差を広げていたゼイツは総合首位を守り、最も栄誉ある個人総合時間賞で優勝を果たした。日本人の総合最上位は8位石上優大(愛三工業)。
第1ステージで勝利し、第3ステージの中間スプリントポイントでもポイントを加算した福岡県みやま市出身の兒島直樹(ブリヂストン)は、2位に4点差を付けてポイント賞を獲得。山岳賞はベンジャミ・プラデス(スペイン、JCLチーム右京)が獲得している。