国内外から18チームが参加する自転車ロードレース「マイナビツール・ド・九州」が10月6日から9日まで九州北部で初開催される。初日は小倉城(北九州市小倉北区)周辺で行われる興行レースで2日目からが本番の国際レース。自転車を使ったスポーツの普及や災害から復興する九州の元気発信を目指したハイレベルな大会が幕を開ける。本稿では見どころたっぷりのレースを一介のファンの視点から概観していく。
自転車のロードレース競技は近年、観光コンテンツとして注目が集まり、国内でもいくつかのレースが新設されている。マラソンよりも長い距離を駆け抜け、さまざまな観光地や施設の周辺にコースを設定できるのは大きな魅力だ。写真や映像を使って観光素材を世界に発信できるほか、自転車そのものが観光地をめぐる二次交通になり得るため、観光振興との親和性は高い。
ツール・ド・九州も大会公式サイトを通じて「世界を目指す競技者にとって飛躍する機会となるとともに、ロードレースに関わる幅広い人材育成に寄与し、九州のサイクルスポーツの普及拡大、世界に誇れる美しい自然や風景を発信することによる地域ブランディングへの貢献などに大きな期待が寄せられています」と大会の位置付けを述べている。
実際に今大会は競輪発祥の地・北九州市で開幕し、豪雨災害や地震から復興した地域、雄大な自然に恵まれた九州山地の快走路を駆け抜ける。国際自転車競技連合(UCI)公認レースの中では比較的レベルの高い「コンチネンタルサーキット 1クラス」(UCI2.1)に分類されており、海外からも有力チームが参加する。レースは国内外に魅力を発信するものになりそうだ。