Jリーグは6月3日、各地で21試合が開催された。J2レノファ山口FCは維新みらいふスタジアム(山口市)でV・ファーレン長崎に1-1で引き分けた。J3ギラヴァンツ北九州はミクニワールドスタジアム北九州(小倉北区)で愛媛FCに0-1。ギラヴァンツは最下位から抜け出せていない。
前節の水戸ホーリーホック戦で11試合ぶりの白星を手にしていたレノファは、スタメンを3人入れ替えたが、フォーメーションは3-4-3のままで臨んだ。序盤から前向きなプレスが掛かり、相手ボールを何度も奪取。外国籍選手の多い長崎攻撃陣のシュート機会を減らし、レノファが主導権を握った。
前半11分には右からのコーナーキックを獲得すると、山瀬功治のキックに相手ゾーンディフェンスの外から沼田圭悟が飛び込み、ヘディングで先制のネットを揺らした。「功治さんが良いボールを上げてくれた。自分はタイミング良く飛び込むだけ。うまく合わせられて良かった」。そう話す沼田の移籍後初ゴールで早い時間にスコアを動かした。
しかし、同27分、増山朝陽(長崎)のロングスローをニアサイドでクリアできず、フアンマ・デルガドにゴールを許す。
レノファは試合を優位に進めていながら、痛恨のセットプレーからの失点となったが、その後もシュートチャンスは創出。ただ、前半38分に山瀬が枠を捉えるミドルシュートを放つが相手GKがファインセーブ、後半1分には右サイドからのクロスに大槻周平、河野孝汰が連続して飛び込むが合わせられなかった。
後半は矢継ぎ早に攻撃的な選手を投入したほか、「ゴールにより近いところでクオリティーを発揮してほしい」(中山元気監督)との狙いから矢島慎也をボランチからシャドーの位置に上げ、前線をボリュームアップ。意図通りに終盤もレノファが優位性を保ったが、石川啓人のスルーパスから放った梅木翼のシュート(同33分)は右に外れ、試合終了間際に続いたセットプレーも決めきれなかった。
勝ち点1を分け合う結果となり、中山監督は「最後の精度の部分を欠いた。(上位チームに)引き分けることができたというより、勝てた試合だった」と悔しさをにじませた。中山監督は天皇杯2回戦の水戸ホーリーホック戦までを監督として指揮し、コーチに復職。次のリーグ戦からはフアン・エスナイデル氏がチームを率いる。