2023年の明治安田J3リーグで最下位となったギラヴァンツ北九州は今年、増本浩平監督を指揮官に迎えて再始動した。一時はリーグ戦13試合負けなしで勝ち点を積み上げ、上位に進出。一気呵成のJ2再昇格にも期待が懸かったが、終盤戦で失速し、最終成績は昇格圏外の7位。ただJリーグの「60位」からスタートしたチームの復活を印象づけるシーズンになった。何がギラヴァンツを変えたのか。そしてJ2に戻るには何が足りなかったのか。
1年前のギラヴァンツは戦術のミスマッチに加えて、ベテラン不在の構成が仇となってチームが崩壊し、覇気さえも感じないちぐはぐな試合が見られた。計60チームのJリーグで最下位になるのは必然の結果だった。
JFLの上位にJ3クラブライセンスを持たないチームが入ったためJリーグからの脱会は免れたが、不名誉な結果がクラブに新風を吹かせる。分かりやすいのが人事だ。クラブはチーム体制を一新し、始動時点で41歳の増本浩平氏を監督に、31歳の池西希氏を強化などを統括するスポーツダイレクター(SD)に配置する。