J3ギラヴァンツ北九州は5月14日、ミクニワールドスタジアム北九州(小倉北区)でテゲバジャーロ宮崎との九州ダービーに臨み、0-1で敗れた。2連敗で最下位のまま。勝利からは2カ月間遠ざかる結果となった。
高昇辰(こう・すんじん)がFWで初先発し、ボランチで高吉正真、センターバックで本村武揚などがスタメンに選ばれた。高の背後へのスプリントやポストプレーなどに期待が持てる顔ぶれだったが、出鼻をくじく失点が足を引っ張った。
前半2分に宮崎の石津大介と永田一真の連係から右サイドを崩され、永田のシュートのこぼれから南野遥海に先制点を決められてしまう。1点を追うギラヴァンツはボールを持って仕掛けていくが、決定機を決められない。前半25分にコーナーキックから古巣対戦の岡田優希がニアサイドにボールが送り、本村が巧みに足を動かしてゴール方向に飛ばすが相手選手がクリア。アディショナルタイムには永野雄大、前川大河とつないで高がシュートを狙うも枠を捉えられなかった。
後半もギラヴァンツが攻勢に出ていくが、パスの質が低く、ボールを持てていても決定的なスルーパスやクロスが通らなかった。相手の集中した守備を崩しきれず、ゴールを現実的に脅かしたのは後半8分の岡田のミドルシュートのみ。そのシュートも相手GKの好セーブに阻まれた。最後までゴールは決められず、0-1で敗れた。
田坂和昭監督は試合後の記者会見で「腹わたが煮えかえるくらい悔しい」と語気を強め、「練習をどんどん積み上げる。精度を上げるということしかない。選手は一生懸命やっているが、もっと意識を上げていかないといけない。経験のなさが随所に出ている。もっと細かく伝えていきたい」と続けた。
岡田は「立ち上がりの甘さから失点し、ボールを持たされる状況になった時にクオリティーが不足した。その後のリスクマネジメントでも隙を与える。負ける展開はほぼこれしかない」と険しい表情を向け、「トンネルの出口は必ずあると信じ、地に足を付けてやっていく」と話した。
ギラヴァンツは5月21日に天皇杯1回戦の鹿児島ユナイテッドFC戦を戦い、リーグ戦は同27日の敵地でのY.S.C.C.横浜戦で再開する。