自転車ロードレースのツアー・オブ・ジャパン(TOJ、UCIアジアツアー2.2)が5月19日に開幕し、同20日にはふじあざみラインを通って富士山5合目に駆け上がる最難関ステージ(78.8キロ)が行われた。
富士スピードウェイをスタートし、富士山を目指す第2ステージは序盤に7人の逃げ集団が形成された。メーン集団は前年覇者の増田成幸をエースとする宇都宮ブリッツェンがコントロールし、1分以上のギャップを許さずにレースを進めていった。
ふじあざみラインの登り口で逃げ集団の選手は次々につかまり、山本元喜(キナンレーシング)と安原大貴(マトリックスパワータグ)の2人だけが残ったが、残り9キロを切ると各チームのエース選手だけに絞られた。実力者のみが生き残り、残り5キロ時点で第1ステージでトップに立ったネイサン・アール(チーム右京)とチームメートのベンジャミン・ダイボールが先行し、トマ・ルバ(キナンレーシング)が追走。その後方から増田、小林海(マトリックスパワータグ)が追う展開となった。
アールとダイボールはともにオーストラリア人で、アールは2014年と15年にチーム・スカイに所属してヨーロッパや北米のレースで活躍、ダイボールは2020年のグランツール「ブエルタ・ア・エスパーニャ」(UCIワールドツアー)を完走している。フランス出身のルバは2012年から日本で走り、ツール・ド・北海道、ツアー・オブ・インドネシアなどで優勝。増田は東京五輪の日本代表として完走したほか、小林は今年のJプロツアーで圧倒的な力を見せている。
レースは先行するダイボールとアールが先行した状態を続け、ルバなどを寄せ付けずにフィニッシュした。1位はダイボールで、ツアー・オブ・ジャパンでは9年ぶりのステージ勝利。同着したアールが2位に入り、個人総合のトップを守った。後続はルバ、小林と続き、増田は2分4秒差でゴールした。
TOJは今年も規模を縮小して行われており、日程は全4ステージと例年の半数。UCIのカテゴリーも「2.1」から「2.2」に下がっている。5月22日に東京都で最終ステージが行われ、総合優勝者が決まる。