J2レノファ山口FCを運営する株式会社レノファ山口は12月15日、臨時株主総会と取締役会を開き、渡部博文元選手を代表権のある社長に、小山文彦社長を代表権のある会長とする人事を決定した。
クラブは人事の狙いを「経営にプロサッカー選手経験者の視点や人脈を取り入れること、多岐にわたる代表業務を適切に分担することで、あらゆる施策の実施効果を最大化することなど」と説明しており、現役生活を引退したばかりの渡部博文氏の手腕に期待を寄せる。
渡部氏はベガルタ仙台、ヴィッセル神戸などでプレーし、2021年にレノファに選手として加入。2022年シーズンはキャプテンとしてチームを束ね、今季限りで引退した。2017年には株式会社ESPORTES(エスポルテス)を設立し、代表取締役に就任している。
クラブの発表資料で渡部氏は次のようにコメントしている。
「この度、代表取締役社長に就任しました渡部博文です。今までクラブの歴史を築いてこられた方々をはじめ、チームを支える多くの皆様に心から感謝申し上げます。異例の就任となりますが、レノファ山口の歴史を、引き続き共に作っていけることを嬉しく思います。
私は13年間Jリーグでプレーをしてきました。サッカーを通して夢を持つことの大切さを学び、情熱に満ちた仲間と同じ目標に向かうすばらしさを経験しました。今回のW杯が示すように、サッカーには感動を与えるチカラがあります。思わず夢中で応援してしまう、サポーターの皆様の感情が揺さぶられるような熱い体験を共有できるチームを目指します。
レノファ山口に関わるすべての皆様と同じビジョンに向かって歩み、地域に愛される強いクラブを目指し、情熱を持って取り組んでまいります。よろしくお願いいたします」
小山氏は次のようにコメントしている。
「本日、渡部博文さんをレノファ山口の経営陣に迎えられたことをたいへん喜ばしく思います。今年1月に私が就任した際、2年かけてクラブ存続のための経済的な立て直しを図るつもりでおりましたが、株主のみなさんのご協力により債務超過を解消することができ、さらにはスタッフ、ファン、サポーター、スポンサーのみなさんの力によって単年度黒字が期待できるところまで辿り着きました。まだ未解決の課題も数多く残ってはおりますが、プロサッカークラブとしてさらに魅力的に成長していくために、攻めの一手として本日の決断をいたしました。引き続き暖かく応援していただけますと幸いに存じます」