J2レノファ山口FCは3月26日、山口市の維新みらいふスタジアムで藤枝MYFCと公式戦としては8年ぶりに対戦した。試合はレノファのミスが目立ち、0-3で敗れた。3試合で計11失点を喫し、3連敗となった。
第3節いわきFC戦での接触プレーで脳しんとうの診断を受けた高橋秀典がスタメンに復帰した。前節から3人を変更し、高橋が右サイドバック、小林成豪が左ウイング、五十嵐太陽がインサイドハーフで先発。前貴之は前節に引き続いて左サイドバックでピッチに立った。
レノファは3-4-3のフォーメーションでボールを動かす藤枝にプレスが掛からず、序盤から思うようにボールを奪うことができなかった。前半7分にはボールのコントロールミスを突かれてショートカウンターを食らい、渡邉りょう(藤枝)に先制を許してしまう。
失点直後はレノファの勢いが勝り、何度か決定機を創出。ただ、同9分にコーナーキックから高橋が放ったシュートはゴールネットを揺らしたもののファールの判定でノーゴール、同11分にもコーナーキックに皆川佑介が合わせたが、相手GKのファインセーブに阻まれた。
チャンスを決めきれないまま流れは再び藤枝に渡り、同32分には初先発となった藤枝のGK北村海チディのロングフィードを、レノファのボランチやバックラインで処理できず、再び渡邉にゴールを献上。レノファはまたもミスが絡み、0-2となった。
レノファはハーフタイムでフォーメーションを大きく変更。4-3-3から3バックの3-4-3とした。選手交代によって配置もずらし、前は後半立ち上がりはセンターバックの左でプレーし、後半17分以降は矢島慎也とボランチを組んだ。高橋は後半最序盤は右ウイングバック、その後、センターバックの右に移動した。
前と矢島のボランチ起用で中盤の距離感が改善したほか、相手とほぼ同じフォーメーションのミラーゲームとしたことでプレスもしっかりと掛かるようになった。こうしたことでレノファはボールを握ることに成功するが、敵陣深くに入ってもシュートがなかなか打ちきれなかった。
後半31分には松橋優安、矢島とつないで左ウイングバックに移っていた吉岡雅和がクロスボールを入れるが、ラインを割ってしまう。同40分の途中出場の大槻周平のポストプレーから作ったチャンスもオフサイド判定でゴールとはならなかった。前掛かりになっていたがチャンスを仕留められず、同41分には隙を突かれたカウンターで矢村健(藤枝)に決定的なゴールを許し、勝負が決した。
またも大量失点で敗れ、試合後のスタジアムはブーイングの声が上がった。キャプテンの佐藤謙介は試合後、「スタンドから起きたブーイングが全て。不甲斐ない試合だった」と肩を落とし、こう続けた。
「レノファに来てから初めて経験するブーイングだった。それだけ自分たちに期待してくれている分、自分たちが表現できていない。自分たちが崩されたというよりも、簡単にミスをしてしまって、簡単に相手に流れを持っていかれている。ミスを減らさない限りは、防げない失点が多くなる。しっかり向き合って1週間、準備したい」
1失点目はボランチに入っていた佐藤がプレッシャーを受け、そこからのミスが重なった。昨シーズンよりも中盤がプレッシャーを受けやすくなっているのは課題ではあるが、ミスが続けば失点に直結するのは当然の事象だ。今こそプレッシャーを回避したり、ミスをケアしたりする組織戦術、個人戦術が求められる。次戦は敵地でブラウブリッツ秋田と戦う。ミスからの失点がほとんどを占める3試合11失点という「重症」から立ち直れるか。レノファが地力を発揮すべき試合となる。