【シーズンブック2020】<総括>5連戦が続く厳しい日程はどこも同じ。チームによってはレノファよりもハードなスケジュールや移動を強いられたところもある。新型コロナウイルスが突き付けた条件を語るのは、もはや言い訳にしかならない。ただひたすらにレノファは2020年を藻掻き、苦しんだ。少しばかり遠くを目指したオレンジの舟は、波間を行きつ戻りつするばかりだった。
苦しんだ理由は分かりやすい。得点数はリーグの中位以下で、失点数に至っては最下位クラスの大量失点を喫した。目指すゴールは遠く、守るべき自分たちのゴールには穴が開いた状態だった。
レノファのベースにあるのは守備と攻撃を切り離さないトータルフットボール。ただ、攻撃のスタイルはシーズンを通して一貫していた一方で、守備に関しては数度の変更を行った。それだけ失点が止まらず、守備から攻撃への切り替えも鈍かったということでもあった――。
この難しいシーズンを、テクニカルエリアの最前線から声を出し続けた霜田正浩監督の話を交えて、振り返っていく。