J2レノファ山口FCは3月21日、山口市の維新みらいふスタジアムでファジアーノ岡山と対戦し、0-0で引き分けた。
決して雨雲に覆われているわけではないが、レノファは薄くとも重層的な迷いの雲が掛かっていた。プレッシャーの掛け方や戻るべき場所の小さな齟齬が、結果への到達を拒んでいた。ただ、今節はいくばくか迷いが消え、薄雲の間から、日差しが感じられる試合になった。まるで、試合中の現実の天気が、小雨から陽光届く春の空へと移ろったように――。
「守備においては多少なりとも、一人一人の迷い、決断の遅さにつながるものを取り除いていく。翌日のトレーニングマッチでもそれに関したミーティングをしてトライし、トレーニングもそれをベースに構築している」
試合3日前の3月18日、渡邉晋監督は練習後のオンラインでの囲み取材でそう語った。前節のアルビレックス新潟戦では相手の起点やサイドのプレーヤーに対して規制を掛けることができず、レノファ陣内への進出を許してしまっていた。もちろんそれは自陣から抜け出せないビルドアップの緩さと同列で語られるべき問題で、攻守両面で意図が噛み合わない場面が出てきていた。