J2レノファ山口FCは7月10日、維新みらいふスタジアム(山口市)でアルビレックス新潟と対戦し、1-3で敗れた。
レノファは攻守で異なるフォーメーションを敷く可変システムを採用しているが、今節は田中渉を攻撃時には左インサイドハーフ、守備時にはFWの位置に置く形を組んだ。ただ、田中はFWの右側に入る局面が多く、移動距離は長め。それをサポートする周りのスライドスピードは上がらず、新潟がボールを持った時に自由に持てるスペースを与えてしまう。
ビルドアップの距離感も悪く、前線でボールを受けられる山瀬功治や池上丈二が先発しなかったことも重なってパスミスが散発。ボールを取られてもGK関憲太郎を中心に踏ん張っていたが、前半45分、ついにカウンターから古巣対戦の星雄次にクロスを送られ、鈴木孝司にゴールを許した。
さらに後半5分にもコーナーキックの流れから再び鈴木に得点を許すと、同28分には試合の結果を決定的なものとする3失点目を喫する。
レノファは後半35分に山瀬を投入し、ようやく前線にボールが入るようになった。同45分に右のコーナーキックを獲得し、セカンドボールを山瀬が回収。その流れから田中がクロスボールを送り、兒玉澪王斗がヘディングシュートを放った。相手GKがファインセーブしたものの、こぼれ球に途中出場の梅木翼が詰めてレノファが1点を返した。
しかし、反撃が1点にとどまり、レノファは1-3で黒星。勝ち点は31で変わらず、順位は16位。対する新潟は開始前の段階で2位だったが、首位に浮上した。
攻守両面で距離感が悪く、反省点ばかりが残った。それに加えて、1.5列目の位置で起点となったり、ファーストディフェンダーになったりと活躍できる山瀬や池上の存在感を見せつけられた試合でもあった。
40歳でも躍動する山瀬、10番の番号を担う池上の背中は大きいが、周りでプレーする若手がそれを感じ取って成長していきたい。「レベルアップしないことには上には行けない」と名塚善寛監督。追うつ捲(まく)っつ、チームとして高みを目指す戦いを続けていく。