J3ギラヴァンツ北九州は9月5日、田坂和昭監督の辞任と小林伸二スポーツダイレクターの監督就任を発表した。田坂監督は今季から指揮を執っていたが13試合を残して最下位と低迷。事実上の解任とみられる。小林新監督は2021年までギラヴァンツを監督として率い、昨シーズンからは強化や普及活動を統括するスポーツダイレクターに専念していた。
ギラヴァンツは今季、若手中心のチーム作りにシフトし、多くのルーキーを迎え入れた。その中で指揮を任された田坂監督は「走姿顕心」を掲げ、ハードワークしながら、ボールをつないで得点を目指す姿勢を鮮明にしていた。
しかし徐々に成績が下降線をたどり、ポゼッションよりも堅守速攻を重視する試合が増加。それでも決定力不足や自陣でのパスミスなどから勝ち点を逃し、今夏には外国籍選手を獲得してFWと守備に充てたが改善しなかった。
前節を終えた段階でJFL降格圏の最下位(20位)に位置し、残留圏とのポイント差は8に広がっている。
石田真一社長はクラブの発表資料で「JFLへの降格を回避し、J3残留を必ず果たさなければならない中で、苦渋の決断」に至ったと説明。田坂監督は「今シーズンの目標であった昇格を達成することが叶わず大変心苦しく思います。申し訳ございません」と陳謝し、「北九州で過ごした時間は忘れませんし、選手、スタッフ、フロントスタッフ、またファン・サポーターには心から感謝いたします」とつづった。
2年ぶりにチームを指揮する小林新監督は「この状況を真摯に受け止め、しっかりとトレーニングを行い、順位を上げていきます。北九州にサッカーのプロクラブが存在することの意味を重く受け止め、選手、チームスタッフ、クラブ一丸となって残りのシーズンを全力で挑んで参ります」とコメントしている。