J2レノファ山口FCは4月30日、維新みらいふスタジアム(山口市)に栃木SCを迎えてホームゲームを戦った。レノファは橋本健人の今季初ゴールで先制。一時は同点とされたものの、高木大輔が試合終了間際に値千金の勝ち越し点を決めて相手を突き放した。
2連敗をしていたチームがホームスタジアムの力を借りて勝利を手にした。試合が大きく動いたのは0-0で迎えた後半だった。レノファが一方的にゲームを支配する展開となり、流れを呼び込んでいる時間帯の後半12分、兒玉澪王斗のパスを受けた橋本がペナルティーエリアをドリブルで突破。相手選手のマークを振り払うと、そのまま左足を振ってゴールに送り込んだ。
「いいパスが出て、スピードに乗った状態で進めた。ずっとこの維新(スタジアム)でゴールを決めたいと思っていた」。そう話した橋本はこれが今季初ゴールとなった。
しかし、レノファは追加点を決めることができず、逆に後半アディショナルタイムにカウンターから失点してしまう。土壇場で1-1の同点。連敗中のレノファにとって、勢いを失いかねない失点だった。
それでも「誰一人、諦めていなかった」と話す高木が意地を見せた。6分と表示されたアディショナルタイムのほとんどが過ぎようとしていたが、田中渉が巻くような弾道のミドルシュートを放つと、相手GKが取りきれず、兒玉が左サイドで回収。すぐにボールを中央へと送り出し、高木が殊勲のゴールを挙げた。
「応援してくれる人、プレーしている選手、出られなかった選手、それにスタッフのみんなで取った最後の1点だった」(高木)。名塚善寛監督は「維新の雰囲気をサポーター、スポンサーを含めてみんなで作っていただいている。こういう状況になったときには負けられないし、力が出る」と拍手での後押しに感謝し、「この勝ち点3を次の町田戦にもつなげていく」と力を込めた。