J2レノファ山口FCは3月24日、水含みのピッチコンディションとなった愛媛FC戦を1-1で引き分けた。リードを許す展開となったが、パワープレーに出た終盤に平瀬大が同点ゴールを決めた。勝ち点8で順位は9位のまま。
5連戦5試合目は前日からの雨でボールを動かしにくい状況。レノファは前節からメンバーを変更、3年ぶりのJ2を戦う愛媛も身長のある選手をスタメンに並べ、両チームとも4-4-2のフォーメーションを軸に浮き球を多用する戦いとなった。双方とも技術の高い選手を生かした連係をメーンにするサッカーを展開しているが、割り切ったゲームにならざるを得なかった。
愛媛は前半39分、2戦連続先発となったパク・ゴヌが豪快にミドルシュートをしずめ先制する。レノファは中央を抜けていくパクにプレッシャーが掛からず、スコアを先に動かされてしまう。
レノファはハーフタイムで両サイドハーフを変更したほか、ビルドアップに関わる枚数を意図的に増やし、攻撃を増強。右ではサイドハーフ野寄和哉が内側に絞り、サイドバックでの先発となったキム・ボムヨンが高い位置に取れるようにする。それでも得点は奪えず、終盤にはセンターバックの平瀬を最前線に置き、フィジカルの強いヘナンも前線になるべく残すパワープレーに転向。これが奏功して、後半45分の同点ゴールにつながった。
パワーと精度が噛み合った。自陣右からGK関憲太郎が相手ゴール前にロングフィードを入れると、梅木翼がヘディングでボールを中継。ペナルティーエリア左に流したボールをヘナンが折り返し、ゴール正面に位置取った平瀬が押し込んだ。レノファでは数少ないフィジカルで勝れる選手を前線に置いた采配もはまった。
「(一つ前のチャンスで)外してしまい、絶対に決めないといけないと思っていた。今年は試合に出ることは第一条件。活躍することが目標だ」。平瀬はJ1サガン鳥栖からの期限付き移籍を延長し、レノファで2年目のシーズンに臨んでいる。今季は開幕からスタメンをつかみ、6試合目にしてJリーグ初ゴール。土壇場で勝ち点1をチームにもたらし、存在感を示す。
次戦からも3連戦。レノファはまず3月30日にヴァンフォーレ甲府と敵地で対戦し、4月3日にはホームにロアッソ熊本を迎える。