「違くない」、「違かった」――。最近、よく耳にする言葉だ。しかし、正しい表現とは思えない。きっと違和感を覚える人もいるだろう。
起きている現象を端的に述べると、ワ行五段活用の動詞『違う』が形容詞化し、例えば「違わない」と表現すべきものが、「違くない」になった。
解説、終わり!
と、これで終わってしまうと日本語を学ぶチャンスを逃してしまうので、もう少し分析してみよう。
「違くない」という言葉が「形容詞化」して生まれたというのは分かったが、きちんと「形容詞」になっているのだろうか。文法としての正しさを探るため、「違くない」を品詞分解してみよう。
ただ、品詞分解というと、古典の授業で思考停止に陥った方も多いはず。さらっと流してもらって構わない。