J2レノファ山口FCは8月16日、維新百年記念公園陸上競技場(山口市)で22位ザスパクサツ群馬と対戦。ともにJ3降格圏に位置する「裏天王山」を制したのはFWレオナルド・ラモスの2得点などでゴールを重ねたレノファだった。他会場の結果、レノファの順位は21位のままとなったが、浮上の足掛かりを築く重要な白星となった。
レノファは前節でゴールを挙げているFW岸田和人が累積警告のため出場停止。中4日の短いスパンで修正を大きく加えるのは難しかったが、前節に引き続いてFWレオナルド・ラモスを先発させ、MF小塚和季をラモスの近い位置に置いた。結果が必要だった試合で、この作戦が奏功する。
前半の立ち上がりからボールを動かしたのはレノファ。前節よりも落ち着いてボールを回し、少しずつサイドを広げてプレーエリアを拡大する。ランニングを得意とする加藤大樹がスタートからピッチに立って相手の隙を狙い、小塚和季は中央でボールを回収。ボランチに入った鳥養祐矢は「サイドを変えながら、じれることなくプレーする。チャンスは必ず来るので、その瞬間に全員がスイッチを入れられるように」と落ち着いてゲームをコントロールする。前半20分にはその鳥養を起点に、右サイドを上がった廣木雄磨がクロス。ゴールこそならなかったが、レオナルド・ラモスが飛び込みチャンスを作っていく。
ところが、レノファが主導権を握ってボールを動かしていたものの、同25分にコンタクトプレーから相手にPKを献上。これをカン・スイルに決められ、今節も先制点を許すことになった。この失点を受けて、「少しチームとしてがっくりしてしまった様子があった」とカルロス・マジョール監督。メンタル的なバランスが崩れ、その後の10分間は群馬に攻め込まれるようになる。ただ悪い時間帯でも追加失点を許さずに我慢を続けると、同41分に放った小野瀬康介のミドルシュートを嚆矢に攻撃が再度活性化。ついに45分、相手のミスからラモスがボールを奪い返してドリブルで突破、GKも交わしてシュートを放ち、同点に成功する。