レノファ山口FCは来シーズンもこのカテゴリーで戦える権利を掴み取った。11月19日、レノファは維新百年記念公園陸上競技場(山口市)で愛媛FCと対戦。1-1で引き分けて勝ち点を積み上げ、残留圏内の20位でシーズンを閉じた。
午後1時にキックオフしたJ3リーグの試合で、ブラウブリッツ秋田が2-1で福島ユナイテッドFCに勝利。この結果を受け、試合開始前の段階で21位でシーズンを終えても降格はなくなった。ただ、最終戦を消化試合にするのではなく、レノファイレブンは「他力」ではなく、20位での「自力残留」を目指した。「選手たちにはJ3の情報は言わなかった。唯一の目標であり、今日やらなければいけないことは、目の前の相手に勝利することだった」(カルロス・マジョール監督)。選手もJ3の動向は頭に入れず、自力残留にこだわった。
愛媛を迎えたオレンジダービーは、維新公園を取り囲む木立ちも紅葉し、それにふさわしい雰囲気に包まれた。とはいえ、空気は凍てつきキックオフ直前で10・3度、ハーフタイムには7度にまで落ち込んだ。ただ、試合は徐々に熱を帯びていく。
前節はサイドの攻防から好機を作ったレノファだったが、今節はボランチやMF小塚和季がボールに触る回数も多く、序盤からピッチを広く使ってボールを動かす。攻守の切り替わったタイミングでの対応も早く、「みんなしっかり球際に行けていた。セカンドボールも拾えていて、いい流れがあった」(MF小野瀬康介)と押し込んでゲームを進める。
みんなしっかり球際に行けていた。セカンドボールも拾えていて、いい流れがあった
小野瀬康介
しかし相手のペナルティエリア付近にまではボールを運ぶものの、エリア内への進入は難しく、シュートまでが遠い。徐々に愛媛もレノファ陣内に入るようになり、前半30分を過ぎたあたりから愛媛が明らかに優勢となる。不用意なプレーでレノファがセットプレーを与える場面も増え、防戦を強いられてしまう。この苦しい時間帯を粘り強く耐えると、前半のアディショナルタイムにはボランチのMF宮城雅史がドリブルで持ち出して中央を切り裂きミドルシュート。これは左に逸れるが、守勢を跳ね返すのろしとなった。