前節熊本戦の63分、1-0でリードしていた山口は右からのCKを得ていた。試合を通して山口が主導権を握っていただけに、追加点が入れば11試合ぶりの勝利は近くなる―。プレースキッカーは小野瀬康介。先制点の起点にもなった小野瀬が狙い通りに送ると、競り合いから逸れたボールを星雄次は左足で狙い澄ました。「こぼれてくるかなという予測で動いてはいた。うまく当たってくれました」。前半の岸田和人、そしてこの星のゴールで白星を確実に引き寄せた山口。今節は2連勝を目指す。
ゴールの感想を聞かれた星は、「嬉しいというよりは、まずはほっとしました」とはにかんだ。第15節山形戦の試合中に肉離れを起こし無念の戦線離脱。約1カ月間のブランクを経て6月21日の天皇杯2回戦に途中出場すると、その週末のリーグ戦でフル出場を果たした。とはいえ体力やゲーム勘が完全に戻ったわけではなく、本調子なら決められていたはずのシュートシーンを何度か逃し、「あれが3点目や4点目になっていれば良かったんですが…」。自分自身をたしなめ、「チャンスをもっと決めるようにやっていくだけです」と気持ちを入れ直した。