ウォーミングアップコラム:積極発信で復活のストライカー。岸田和人の見せる結果へのこだわり
岐阜で迎えた開幕戦。ピッチに立ったFWは岸田和人だった。岸田は2年前のJ3で得点王に輝き、レギュラーを約束されていると見られても何ら不思議ではない。だが、今シーズンの始動以降は必ずしもファーストチョイスではなかった。事実、開幕1週間前に行われたプレシーズンマッチでは新加入の米澤令衣が先発。もう少し遡ってキャンプ中の対外試合を見ても、米澤や岡本英也のほうが優先されているようにさえ見受けられた。
ちょうど1カ月前。2月4日に大分との練習試合が熊本県内で開かれたが、このときすでに岸田からは危機感がひしひしと伝わってきた。『悩めるストライカー』とでも表現したい重苦しい空気感だ。しかし、岸田は押し潰されなかった。「気持ちの入ったプレーをしないといけない」と話し、ゲームではいつも以上にタフに上下動。得意の裏へのスプリントも、周りに要求する声も、すべてに熱を込めた。むろんそれはキャンプが終わっても続いていた。