北九州にとって10年目のJリーグが始まる。昨年は浮上のきっかけをつかめず、右袖の白いJのエンブレムに黒を塗り足すことはできなかった。しかし、二度と荒磯には迷い込むまいと誓った者たちにとって、過ぎた年のたらればはもはや雑音でしかない。
「この街にギラヴァンツ北九州というクラブがあるということを、プレーで見せ、結果を出して示していきたい」。開幕前の記者会見に登壇した内藤洋平は、ただじっと前だけを見つめた。
今年は小林伸二監督が就任し、トレーニング内容はこれまで以上にハードなものとなった。メニューが厳しいだけでなく、練習時間そのものも長く、二部練習も増加。内藤にとっても「厳しいトレーニングだった」が、「細かいところにこだわって積み重ねてきた。自分たちに自信を持ってスタートから全力で戦いたい」と手応えは日増しに大きくなっている。